いつもは一時間番組だけどこの日はスペシャル4時間で、その後を追ったもの、問題作やら奇跡の遭遇やら盛りだくさんだった。
私はこの番組をほぼ見ているので、念願の新築の自宅入居まであと2週間というところで奥さんを亡くした男性のその後には、ああ良かったなあとホロリとさせられ、
深夜の千葉駅で酔っ払ったオジさん2人組(専務と松本さんという上下関係)に、家について行ってイイですか?と聞いたら、あっさりOK、タクシーに乗り込み、家に行く前に立ち寄った飲み屋で、まさかのケンカになり専務が松本さんに「歩いて帰れ」と激怒。
でもこれは毎度のことで、二人はケンカしたり仲直りしたりの間柄。
後日松本さんの部屋を探し訪ねると衝撃の暮らしぶりが。。。。爆笑!
この二人を見ていると老後2千万円とか考えずに何とかなるのかなと思えてくる(イヤ、お金は必要だけどね)
時たま会話に英単語を交えてくる松本さんのその後を是非とも追って欲しい。
最後は年の瀬も迫った昨年12月のある夜、下北沢で声をかけたグループは、その日葬儀の帰りで、「家、ついて行ってイイですか?」と聞くと、ためらいながらも「故人も番組のファンでしたから」とパートナーの女性が受けてくれた。
バンドのボーカルだったという故人、家に向かう道すがら、もしかしたらあの人?という顔が浮かんだ。
それまでまったく知らなかったけど、ヤフーのニュースに出ていたのを思い出したからだ。
自宅へ到着し、写真を見たらやっぱり見覚えがある、パンクロッカーのイノマーさんだった。
部屋にある物といい、パフォーマンスも過激だ。。。。それをありのまま流す番組もすごい。
パートナーの女性はたまたま友人に連れられて行ったライブで、ひと目でイノマーさんのことが好きになった。
闘病中もサポートし、亡くなる少し前(普段は呼ばない)彼女の名前をよく呼んでくれたという。最後まで一緒にいられて幸せだったと語る。
こんな素敵な女性がそばにいたのだから、イノマーさんもきっと素敵な人だったのだろうと思った。
私はヤフーのニュースで見るまでイノマーさんのことは知らず、そんなに有名な人なんだくらいの印象で、後にこの番組で知ることになろうとは思いもしなかった。
一番身近にいた人から語られるイノマーさんとのこと、最後のライブ映像も流れ、ファンの人にとっては良かったんじゃないのかな。
◇
またしんみりした後、テレビを消す気にもなれず、適当にチャンネルを変えたら、どうやら生き別れた母親を探してる番組にあたった。
経緯はわからないが、30歳くらいの男性が1歳頃に別れた母親を探すため役所で戸籍を取り寄せ、辿っていくうちに、住んでいると思われるアパートに行き着いた。
けど、すぐそこなのにドアのチャイムを押す勇気が出ない。
いったん帰宅し、父親に母親を探して会いたいということを伝えると一冊のアルバムを手渡された。そこには初めて見る、母と男性が赤ちゃんだった頃の写真がたくさんあった。
再びアパートの近くまで来た男性は近所で母親の写真を見せ聞き込みをするも、若い頃の写真ゆえ、そこに住んでいる女性が母親なのか確証が持てぬまま踏み出せずにいたが、その近所のオバさんに背中を押され、アパートのドア前に立った。
中に人の気配があるのを確認し、チャイムを押すと女性の声がする。男性が名乗ると「えぇっ」と女性のうわずった声がした。
ドアが開き、突然息子が訪ねてきたことに驚きつつも、うれしく思ってる雰囲気が伝わってくる場面だった。
30数年ぶりに会った母と息子。
息子が母に尋ねる、自分には捨てられたという思いがある、と。
母は、いろいろすれ違いがあって父親と別れたこと、自身もまだ22歳と若かったこと。男性を連れて家を出ようと思ったが、食べさせていけるかどうか不安だったこと。父親は男性のことはとても可愛がっていた。。。だから置いて出てしまったと。
そして母はバッグの中の財布から硬貨を一枚取り出し、男性に手渡した。
そこには男性が赤ちゃんだった頃のちょこんと座った写真がハート型に切り抜かれ貼ってあった。それを肌身離さず持っていた、男性のことは一日たりとも忘れたことがないと。
「めっちゃうれしい」と硬貨をじっと見つめる男性。
母親は高校球児として甲子園に出場した男性の姿もテレビで見ていたと言う。
会いたくても会いにいけなかったんだろうと思う、置いて出てきてしまったという負い目から。
最後に男性が母親に「ハグしたい」と言って抱きしめた、
母も「良い子に育ってくれてうれしい」と抱きしめる。
母親の記憶もぬくもりも知らずに育った男性のこの瞬間の気持ちを思うと、ああ良かったなあともらい泣きしてしまったよ。
何でもカタカナで言うのは嫌だけど「ハグ」はいいなと思う。
赤ちゃんの頃、どんなに可愛がられて育っても、抱っこされた感触とか覚えてないじゃん。
母親にベタベタまとわりついて、膝の上に乗ったり、抱き寄せられたり、頭をなでられたり、手をつないだりしたのも小学校低学年頃までで、それ以降はもう子供みたいに(まだ子供なのに)甘えるんじゃない、みたいに育ったからさ、もう遠い記憶、感触なんだよね。
でも本当は今でもベタベタしたいと思う時がある。こういうハグの習慣が日本でも一般的になればいいのにな、と思ってる。