そう遠くない将来、私にもこの場面がやってくる

2022/11/18

日常 両親のこと

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昨夜母から叔父が亡くなったという電話があった。埼玉に住む母の妹の夫だ。少し前に施設に入所し、持病もあり一週間くらい前から危ないと言われていたらしい。

母と叔母はいつも連絡を取り合っていて、この知らせもきょうだいの中でも母にだけ電話してきた。


叔父が亡くなったのは2日前でその間母は悶々と悩んでいたらしい。

というのは、叔母も体調が悪く、その子供たちは家族葬でやりたい、亡くなった知らせは親戚にも誰にも知らせずに終えたいと言ってるからそうしたい、それでいいよね。という方針に母の後押しが欲しかったらしく、母も家族がそう望んでいるのならそれでいいんじゃないかと迷いに迷って返事したらしい。

けれど家族葬は良しとしても亡くなったことは葬儀を終える前に知らせるべきじゃないかと迷っていた母は2日間悩んで、お前はどう思う?私に電話してきたわけだ。

おひとり様の圧倒的に社会経験の不足してる私に聞かれてもねぇ。。。。


私は亡くなったことだけは伝えるべきだと思った。


母たちきょうだいは結束が固い。と言えば聞こえがいいが平たく言えば面倒くさい人達だ。義理を欠くことを恥じとして、長兄を立て波風立てずに今までやってきた。古い考えの人達だ。

きょうだいたちは皆田舎に住んでいて母の妹である叔母だけが一人関東に住み、何かあれば上京してきたきょうだいや親戚たちの定宿として利用活用されてきた。

きょうだいたちだけでなくその子供であるい私たちいとこ、その子までもが最近までそんな風に当然のことのようにお世話になってきた。


そんな親戚たちを長い間常にもてなさなければいけなかった叔母の胸の内は複雑なものがあったと思う。


でも最近はきょうだいがひとり欠け、ふたり欠けして、みんな高齢になってきた。それでもなお、母たちきょうだいはこういう冠婚葬祭ごとになるとどこまで知らせるか、誰が何をするか、いくら包かなどとにかく面倒くさい。それで何か気に入らないことがあるとあーだこうーだと言うきょうだいがいる。


私は叔母の気持ちがよくわかる。

夫を亡くし、父を亡くし、一番悲しく辛いのはその肉親である家族だ。形式などにとらわれず、家族が見送りたいように見送るのが良いと思う。


こうあらねばならない形式にすると、辛い上に疲れている家族が矢面に立たされる。亡くなってから葬儀が終わるまで、その数日後まであれやこれやで眠れもしない。

何で日本の葬式って一番悲しい人たちが一番大変な思いをしなきゃいけないんだろうね。


叔母の気持ちを代弁すると「夫が亡くなって悲しい、でも葬儀は家族だけで静かに見送りたい。だから参列しようなんて上京して来ないで」ということだ。


これを角が立たないような言い方にしてきょうだいや親戚にあーだこーだ言われないようにしなきゃいけないのだ。

でもどんな言い方をしたって絶対後であーだこーだ言うきょうだいがいるんだから、気にする必要はないよ。


ただ、亡くなったことだけは伝えるべきだと私は思った。

母たちきょうだいの子である私たちいとこのつきあいは薄い。叔母の子供たちとだってもう何年も会ったことはない。だから今後そのいとこの誰かに何かあってもどこまでどうすべきかもわからないが、母たちはきょうだいだし、義理であっても濃い付き合いをしてきた。あーだこーだ言われるからではなく、亡くなったことだけは知らせるべきだと思った。


私の気持ちを聞いた母は、やっぱり知らせるべきだと判断、すぐに叔母に電話をした。叔母もこの2日間でやや落ち着きを取り戻したのか、知らせなきゃいけないかなと思い直したらしい。

それを聞いた母はホッとして、最初に知らせるのは叔父の実家だよとアドバイスした。そして時間が遅いなど気にせずすぐに電話するように諭した。

叔父の実家も同じ郷里だ。まずは母たちの実家に電話したたところやっぱり叔父の実家に知らせるように言われたらしい。


台本はこうだ。

叔母が叔父の実家に知らせる。次に叔母の実家に連絡する(もうしたけどね)。そこから母たちきょうだいに亡くなった知らせがいく。

叔父が亡くなったことは身内以外、母(そして私)しか知らないが、その連絡がいき初めて聞いた体で受ける。という筋書きだ。すでに知っていたなんて決して悟られてはいけない。

でも絶対後で知っていたんじゃないかというさぐりを入れるきょうだいがいるのも、もう予想できる。面倒くさい人達なのだ。


家族が亡くなって混乱して一番辛い時間を過ごしているはずなのに、義理を欠かないように波風立てない言い方をするのを考えるって大変だよね。

どういう言い回しをしたかわからないけど、とりあえずは家族葬に出来そうで良かったよ。

やさしく親切で誰からも好かれた叔父、今日空へ上る。


ああ、そう遠くない将来、私にもこの場面が来るんだろうな。

 

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