ミャンマー政変の背景はこの2つの記事を読めばわかる。

2021/05/10

Myanmar 気になる人

t f B! P L

これからも読めると思っていたのに、スーティリさんのブログが突然終わってしまった。




たぶん森崎ウィンさんの記事がきっかけのような気がする。


有名芸能人の名前をタイトルにしたせいか、たくさんのコメントがついた。


その大半は、彼のファンというより彼女のブログ人気を妬んだ人たちがこれ見よがしに書き込んだ感じがした。


それが面倒くさくなったんじゃなのかなと。


でも彼女はそういう意味不明なコメントを無視せずに「森崎ウィン大暴落 AGAIN」という記事を上げてきた。


スーティリさんは彼の批判をしたわけではなく、現状を書いたまでだ。


彼女のブログの魅力は、タイトルもだが、短い文章で的確な日本語で突いてくるところだ。


ムダな表現がなく、短い言葉でスパっと読み手に伝わってくる。


例えれば俳句のような、その表現力は厳しい口調の夏井先生でも大絶賛すると思う(笑)




特に最後の2つの記事が素晴らしい。


『仏教と国軍の蜜月関係』


『ビルマ人の夢』


専門家や学者の長くて小難しい話、解説より、スーティリさんの文章の方が、


ミャンマーがどういう国なのか、過去と現在をからめズバリと書いてある。



ミャンマーの政変で、私たち部外者が最も疑問に思うことは


・国や国民を守る立場である国軍が(デモ程度で)大した武器も持たない民衆に銃を向け、何百人もの国民を殺害する、なぜそんな酷いことが出来るか?


・ミャンマーは仏教国でお坊さんの影響力も強いはずなのに、なぜ軍の残虐、非道な行いを止めないの?


ということだ。



ミャンマーは仏教国、そして多民族国家でもある。

( 仏教徒のビルマ族がおよそ7割を占め、135 を数える民族が暮らしており、キリスト教やイスラム教の信徒も多い)


だからミャンマーを語るには仏教を抜きにしては語れない。


仏教指導者と国軍の関係は、ぱっと見、時代劇でいうところの「水戸黄門」のようなものかもしれない。

水戸黄門&助さん、格さん


黄門様が前の副将軍、水戸光圀公という肩書だけでなく助さん、格さんという腕の立つ侍二人のお供がいるご一行だから、悪人たちもひれ伏し、成敗して諸国行脚出来るのと同じように、


仏教指導者たちが辺境で布教活動をするにあたり、軍は長い間異教徒や異仏教徒たちと戦ってきた。


その一体感は、不正をただす高齢のご老公をサポートする助さん格さんご一行というより、


実態は、


代官と越後屋



これに近いと(スーティリさんの記事を読んで)思った。


「持ちつ持たれつ」


おぬしも悪よのう、の密な関係


「一連托生」とも言えるかも。



国際社会に支援を求めたミス・ミャンマーのスピーチの中に


『誰もが繁栄と平和な中で暮らしたいと思ってる』という一節があったように思うが、


その『誰もが』の中に、135 を数える民族も入ってるのだろうか?


スーティリさんはそれはあり得ないと言っている。


私たち部外者はミャンマーが民政に戻り、武力ではなく、他の民族とも折り合いをつけ平和になって欲しいと思っている。


でもそれは想像よりずっとずっと難しいことなのだとスーティリさんの記事を読むとよくわかる。



一つ目の記事「仏教と国軍の蜜月関係」の冒頭に


『Twitterでは、民衆が善で国軍が悪、の単純な二元論だが、この仏教国で善悪に絶大な影響力を持つのは昔も今も仏教指導者たち。


では、仏教指導者たちはどちらを支持するのだろう。この悲劇を高僧たちはどうみているのだろうか?


私はEVENだと思う。』と書いている。


私はこれが全てだと思った。


なぜ『EVEN』なのかは、二つめの記事「ビルマ人の夢」を読むとわかる。



ミャンマーという遠い外国で起こってる事、自分の目で見たわけでもないし、スーティリさんの言うことが全て正しいとか思ってるわけじゃない。

でも読むと、なぜ?と疑問に感じてることが、ああそうか、とスッと入ってくる、腑に落ちる。


スーティリさんがブログの更新を止めると知った読者が、最後の記事ですべり込みの質問をした。


Q.

1.どうして軍はクーデターを起こしたと考えていますか?

2.これは計画的だと考えますか?


この質問にスーティリさんが回答した後、この読者はまたナイスな質問をした。


Q.

最後にCDMについてもお聞きしたいです。特に医師のCDMは賛否両論で日本でも報じられていますが、ミャンマー人がどう感じているか教えていただけないでしょうか?



このやり取り(Q&A)を読むだけでも価値がある!


質問をした読者はスーティリさんの回答に「がちで目から鱗が10枚くらい落ちた」と書いていたけど、まさに同感。


わかりやすさは、池上彰さん以上かもしれない。

だってミャンマー人が日本語で書いているんだよ!


スーティリさんのブログはショッキングな画像込みなので(特に前半)それを避けずには読むことが出来ない。


私も読み始めの頃は、ここまで載せる必要はあるのかと嫌悪したけど、読むのを止められなかった。


少しでもミャンマーのことに感心がある人には、この最後の二つの記事だけでも読んで欲しい。(最後の記事のコメントのやり取りも!)


なのでショッキング画像の無いこの記事だけのURLに飛ぶように貼っておきます。


『仏教と国軍の蜜月関係』


『ビルマ人の夢』


後は、スーティリさんがこのブログを削除しないでくれることを願うのみ。



このブログを検索

ブログ アーカイブ

QooQ