文春オンラインにミャンマーで拘束された後、5/14に開放、帰国した北角裕樹さんのインタビュー記事があった。
https://bunshun.jp/articles/-/45588
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インターネットが普及した今、どんなに距離があろうとそこにいる一般の人たちの声をSNSで見聞きすることができる。
ミャンマー政変に関する情報もそのひとつ。
私はミーハーな気持ちだけで検索していたミャンマーの人気モデルをきっかけに、スーティリさんのブログを知ることになり
在緬の人たちのブログもたくさん読んだ。
同じ日本人としてどう見るのか、ニュースで伝えられてることは事実なのか、実際はどうなのかとか知りたかったからだ。
ミャンマーはこういう危険な状況なので、
・言葉を選びながら書いている
・住んでる所のことを悪く言いたくない
というのがわかるし、
・伝えたいがうまく表現できない
と感じるのもあり、そうだよねと思いながら読んでいるのだが、
北角さんに対しては、解放されて良かったというニュアンスではない、批判的に書いてるものがあった。
それは北角さんが取材活動に必要なプレスVISA持たず、ビジネスビザの発給を受けているが、
その際政治的な活動はしませんと署名しているにもかかわらず、資格外活動を行った、ルールを破った。
平和のため、人民の味方と称して映像を金に換える自分の利益の為に取材活動するブローカーである。と
たとえプレスVISAを持っていても、取材活動は制限され役人が取材対象と内容のチェック、承諾を得て放送出来ることで、軍、警察はもちろん道路、港湾、電車、駅、橋、役所 、公務員を撮影する事は禁止されている、そうだ。
私は、これまで何で身の危険を冒してまでそういう所へ行くのかわからなかった。
昔イラクでボランティアをしていた若者が誘拐され、身代金を請求された時、「自己責任」という言葉が生まれたよね。
それから間もなくしてまたイラクで拘束された大学生、助かりたいだろうに「小泉さんごめんなさい」と言った場面が忘れられない。
シリアで銃撃に巻き込まれて亡くなった山本美香さん、イスラム国で拘束された後藤健二さんも殺害された。
その度ごとに「自己責任」と言われ、最近ではシリアで数年間拘束されていた安田純平が解放された時もそう言われた。
繰り返しこういうことが起こってもなお、なぜそんな所へまた行こうとするのか、覚悟の上だろうけど、、、何でなのよーと思っていた。
でも情報が統制され、そこで何が起こっているのかを知るためには、誰かが行かなければわからない。
私たちがミャンマーで何が起こっているのか知ることが出来るのは、ルールを破っても、身の危険を冒しても取材をしている人がいるからだ。
ボランティアやジャーナリストと称しながら、うさん臭い、得体のしれない人達がいるというのはわかる。
でも名指しして、殺されて当然、バカだ、犯罪者だ、迷惑だと一方だけを批判するのはフェアじゃない。
じゃあ、軍は正しいの?逆らえば殺されても仕方がないの?
書いても大丈夫なことは名指しして、警察や軍のことには一切触れず、むしろ肩を持つニュアンスさえある。
私は北角さんが開放されて良かったとは思う、でもよくやった!などと英雄視もしていない、「自己責任」だろと思ってる人が大半じゃないのかな。
だけど北角さんが正規のVISAを持たない記者だったとしても、彼以外に日本人記者がいなかったら、私たちが目にするミャンマーのニュースは全て(他の国の記者の)コピペなんだろうね。
もし自分の身近な人がこういう危険な所に行くとしたら、絶対嫌だ、止めたいよ。
でも誰かが行かなきゃいけないんだと、今は思う。