叔母の最後

2023/02/09

田舎のこと

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母から夜電話がかかってくる時はたいてい悪い知らせだ。

昨夜は叔母が亡くなったと電話があった。母の兄の奥さん、母にとっては義姉だ。

私が叔母に最後に会ったのはコロナになる前年の夏だった。ガリガリに痩せていてびっくりした。

ご飯が食べられず、でも検査してもどこも悪くないと言っていた。頭はしっかりしていてボケてはいない。ただ体力がなく足元もおぼつかない。叔母はそこから一年ぐらいして施設に入所した。

叔母は家で過ごしたかったにちがいない。誰だってそうだ、自分の家が一番良いに決まってる。

けれどあの体の状態ではいつ転んでケガや骨折になってもおかしくなかった。それよりは施設の方が人の目もあり安心、安全だったと思う。叔父と離れ寂しかったかもしれないけどしかたがないことだった。

叔母は少しずつ体力が落ちていき、最近は寝たきりとなっていたらしい。

そして数日前から声をかけても眠ったままで反応が無くなり、会わせたい人がいれば今のうちにと施設から連絡があり、母も一昨日に面会に行った。

決められた面会時間に20人ほどの親族が集まり、ガラス越しに叔母を見ながら電話でそれぞれが声をかけたそうだ。


私が気になったのは暮に救急車で運ばれ入院した叔父が叔母に会えたかどうかだった。


叔母がそういう状況になったので、急遽予定を早め叔父は昨日退院、その日の午後に叔母に面会出来たそうだ。

叔父の退院に合わせ、昨日は母たちきょうだいが叔父宅に集まっていた。

叔父はガラス越しにではなく、ちゃんと面と向き合って30分ほど面会出来たそうだ。

そして叔父が叔母の手を握ったら握り返してくれたそうで、持ち直してくれたという話をしていた直後、施設から叔母が亡くなったと連絡が入ったそうだ。


叔父と叔母は仲の良い夫婦だった。


だから叔父が退院したら叔母と同じ施設に入所できるようにと家族が準備を進めていた矢先だった。

面会の30分間、叔父は叔母に何を語りかけたのだろう。叔母が入所以来、面会はいつもガラス越しの電話だったそうだが、最後に顔を合わせられて良かった。

施設側の配慮に感謝だ。

埼玉の叔父もそうだけど、コロナが無ければ、直接顔を合わせて面会時に会話が出来ていればもうちょっと変わっていたんじゃないかと思えてならない。


もしコロナが収束していっても、まだしばらくの間は自由な面会は無理なんだろうなあ。それが悔しいな。

 

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