車両の端っこ、3人掛けのイスの所だった。見たらそれぞれ盲導犬を連れたご夫婦(たぶん)がいた。男性はドア横に座りその足元の間にゴールデンレトリバーが頭と両足を出して伏せの状態で座っていた。
おお~、可愛い!!
じゃまにならないよう、じっとそこにうずくまっている。そこへ女子高生が乗り込んできた。気がついているのかいないのか、犬の足を踏みそうになり、ヒヤヒヤした。
犬がどうコンパクトに身を屈めようとしても足は出てしまう。もし、人に踏まれでもしたらもう歩けなくなってしまうんじゃないだろうか?
そう考えると心配で心配で、また誰かがここに近づいてきたら何とか阻止しなきゃ!と思った。
朝の通勤電車のスケジュールは過密状態、時間調整の連続で、走っては止まり、走っては止まりを繰り返す。
もう一匹の盲導犬は、私の位置からは背中しか見えなかった。
斜め前に主である女性が立っていて、その奥横に盲導犬がちょこんと座っていて、ちょうどくひらがなの「く」の字のような丸い背中だけが見え、頭は見えない。
鮮やかなグリーンのTシャツを着せられて、一瞬そこに居るのはもしかして子ども?と錯覚、でも腰から足元が白い毛で覆われているから、あ、犬だなと(笑)
止まったり走ったを繰り返す車内では、人だってよろけたりするのに、健気にもその犬は体勢を保ち、じっと耐えている姿にウルウルしてしまった。
そうやって健気にがんばっていたのだが、次第に体勢がくずれ横座りのようになってきて、犬の隣にいた男性が察して私のところに移動してきた。
犬の横座り、可愛い!
可愛くて健気な二匹の犬の様子をずっと見ていたい、、、が、電車はターミナル駅に到着、
ここまではまだ車内に空間があったから良かったのだが、ホームには時間調整しただけあっていつもよりも多くの乗客が並んで待っていた。
このご夫婦、ここで降りるんだろうか?と思ったがその先まで行く様子、えーーーっ、どうするの?
客が乗り込んできたらもう目いっぱいギューギュー詰めになる。
人間ですら不快で苦痛な状況、足だって広げられずバランスとるのも不安定になるのに、この二匹のワンちゃんはどうなるんだろう?
座ってる主である男性の前に私が立てば、なんとか犬の足だけは守れるかもしれないが、この駅で降りなきゃいけない。。。あぁぁぁ。。。後ろ髪引かれる思いで電車を後にした。
どうか乗り込んできた乗客が盲導犬に気がついて足や尻尾を踏まないようにと願うばかりだった。
以前にも電車の中で盲導犬を見かけた時があった。
その時も足元にうずくまる体勢でじっとしていたが、足はやっぱりはみ出るし、それよりも冬だったから暖房が入っていて、座席の下から吹いてくる熱風に火傷しないのかと心配になった。
車内だけじゃなく、下りてからも大きな駅の中は混雑してるし、特に通勤時の朝は先を急ぐのに殺気立ってるから、ぶつかったり、踏まれたりあるんだろうなぁ。。。、出来ればそういう時間帯を避けたほうが良いのは当然だけど、そうもいかないんだろうね。
可愛いからって、盲導犬を触ったり、撫でたりしちゃいけないんだよね。
車内で盲導犬の存在に気がついたら、踏まれたりしないようそっと見守る、混雑してきたら守ってあげよう。
もし小さな子どもがそういう満員状態の中にいたらみんな配慮するよね?
それと同じに。