いろいろあって、気分が落ち込む。
こんな時は手っ取り早く、「食べる」に限る。
この日は気になっていた西武池袋本店8Fの「回し寿司 活美登利」に入ってみた。
予定していたわけではなく7階に用事があって、その流れで8階に足をのばしたら、並んでる列があって、あ、ここ回転寿司だった、と思い出しただけ。
一昨年、宮殿の叔母と目黒雅叙園に百段ひなまつりを見に行き、目黒駅近くの回転寿司で食事した際、安くて美味しかったので他にも店舗がないか検索したら池袋西武にあると知ったのがきっかけ。
いつも開店前からたくさんのお客さんが並んでいて、こりゃ無理だと眺めていたけど、コロナの影響か20人くらい待ちで、オープンと同時にすぐに入れた。
カウンターは2席ごとに飛沫予防で透明なシートで区切られていた。私の座席は両隣共に女性客で、1席空けて着席するようになっている。
右隣のおば様は常連なのか、席につくなり「いらっしゃいませ」のかけ声と共に、ワサビがこんもりと盛られた小皿が提供された。
目黒の店舗はオーダーは紙に書いてだったが(当時は)、ここはタッチパネル式だ。
食べる分だけオーダーすればいいのに、一気に注文してしまった。
オール110円の皿(笑)
右隣のおば様は、シャンパンだかワインだかのグラスでまず一杯、次に枡酒、合間に鮨をつまんで、優雅だわ~。
自分の好きな物を好きなだけ、味わって楽しめる、自分だけの時間。。。これこそおひとり様の食事の醍醐味だと思う。
◇
若い頃はひとりで飲食店に入ることが出来なかった。落ち着かないし、ひとり=寂しそう、みたいに見られるのが嫌なのもあった。
でも年齢と共にそれもだんだん薄れて、ひとりで飲食店に入るのにも抵抗が無くなった。
そこに入ろうかどうか迷うのは、テーブルやカウンターの間隔がギチギチじゃないか、高そう、マズそうじゃないかくらいだ。
立ち食い蕎麦も、いわゆる男性客がメインのワンコインのファストフードもよく行く。
女性が入っても男性客はほとんど、気にしてはいないよ。
もちろん心の中までは読めないけど、そういう食事処はたいていひとりで来るものだから、こちらが気にしなければ良いだけのこと。
私が立ち食い蕎麦にはいると、女性客が後に続き、カウンターの両隣になったりする。あ、きっと迷っていたんだな、と思う。
気おくれせずに、一歩踏み出してみよう。二度三度と行けば平気になるよ。
ただし、さっと食べて出るのがマナーだ。
私はひとりでも飲食店で食べるのが好きだけど、ひとりでは絶対入れないという人もいるし、ひとりで食べても美味しくないという人もいる。
まあ人それぞれだけど、
あ、良さげな店、美味しそう!と思った時に、ぱっとひとりでも入れるのは私は楽しいと思うんだけど。
そういうふらりと入る飲食店の中でも、回転寿司は一番好き。
鮨は自分じゃ握れないし、ひと皿百円でもご馳走感があるし、定食みたいに食べたくない小鉢とかついてこなくて、自分の好きなものを食べられるし、お酒を飲んでもおかしくないし、おつまみだってデザートだってあるし。
さっと時間をかけずに食べることも、ゆっくり食べることもできる。
おば様のような常連にはなれなくても、ちょっと外でお酒飲みたいな、となった時、ひとりで飲み屋というのはハードルが高くても、回転寿司なら気軽じゃない?
そういうちょっとした楽しみ、気分転換、リラックスには、回転寿司は最適だと思う。
鮨8皿とお椀ひとつで¥110×9+99(着席料)=1089円だった。
左隣の女性は柄物の皿を10皿、右隣のおば様はウイスキーを飲んでいた。
もしコロナじゃなければ私たち会話していたかもしれない。
なんとなく通じ合える空気を感じるんだよね。
店に入るのはひとりでも、そこはそこでまた出会いがあると思う。