ミャンマー軍がクーデター後に拘束した政治犯2,300人を解放したというニュースがあったが、
その中に、彼paing takhonはいるのだろうか?
4/8に拘束された直後にネットで見つけた彼の画像の文章をgoogleで訳そうと試みた、
英語ではないのはわかるが、何語なのかわからぬまま適当にやっていると「ジャワ語」と表示された。
ジャワ語!? |
ジャワ語から直に日本語の訳にはならないので、ジャワ語→英語→日本語でやろうとしたがダメだった。
簡素すぎる診療所?
その画像の彼はまさしくpaing takhonだったが読めないから状況がわからない。
が、ベッド(と思われる)に横たわっている彼のいる部屋はものすごく簡素で、拘束時体調を崩しているとは聞いていたが、治療してますよ、のような画像がヤラセというか嘘くさい感じがした。
軍は体調の悪い彼に対し非道な扱いはしていないというアピールのため、そこにとりあえず寝とけ、一枚撮るから、みたいに見えたからだ。
それにその簡素な部屋がどこかの診療所なのか、刑務所の一室なのかわからないが、横たわる彼の手足に線のようなものがついて、
その先をたどると器材があるのだが、具合が悪そう=その先にあるのはたぶん医療機器、と予想するからで、それだけを見れば何の器材がわからないし、治療になってるのかもあやしい。
とにかく普通にイメージする病院や診療所の風景ではなく、医療機器のようなものが見当たらないのだ。
ミャンマーは想像していたよりずっと貧しい
paing takhonはキラキラした有名人、そして富裕層はごくごく一部ほんのひと握りの人達で、大半のミャンマーの人たちはまだ貧しいとは思っていた。
でもミャンマー政変以降、ニュースやらいろんなブログを読んでミャンマーについて知るようになって、想像よりずっとずっと貧しいのだとわかってきた。
誰かのブログでここでの暮らしは日本の大正時代の終わりか昭和の初め頃の暮らし、と書いてあったが、ヤンゴンやいくつかの大都市を除いてはまさにその通りかもしれない。
ヤンゴンにしても街の中心部を離れた郊外では日銭で生計を立ててるような貧しい人たちがたくさん、、、、その落差がものすごく激しい。
一番ショックを受けたのは医療制度、設備の貧しさだ。
医師のCDMについても、部外者である私たちは、病人はどうするの?ケガ人はどうするの?医師がいなければ治療できなくなる!と真っ先に考えるが
最後の記事の回答の中でスーティリさんは「最初から医療制度は崩壊してて、誰もそれだけをとりたてて考えはしない」と書いた。
私たちはケガや病気になった時、とにかく病院へ、医者へ一刻も早く、そうすれば助かる命があると考える。
でもそれはちゃんと医療制度が機能していればの話だ。
40人部屋?遅れている医療設備、技術、衛生観念
あるブログで読んだ5、6年くらい前のエピソードだが、その人は体調を崩して(ヤンゴンほどではないが)それなりの大都市の総合病院に入院となった。
病室は40人くらいの大部屋で枕等の寝具は無し、隣の人のベッドとは50cmも離れていない。仕切りやカーテンもなく横を向けば隣の人の顔があるという近さ。
暑いのに、扇風機すらなく窓は開け放たれ鳩が入り込んで病室内を飛び交っている。
これが病室内を飛んでいる・・・ |
治療でナゾ点滴を受けるもまったく良くならない。看護師さんがヘタで針がうまく入らず何度も刺された腕はボロボロ。
トイレはボットンで水なし、体調の悪い体で段差を乗り越え点滴のポールを持ち、貯水槽からバケツで水を汲み入ろうと試みるもドアにぶつかって断念、
しかたなくポールから点滴袋をはずして口にくわえたまま、やっとのことで用を足したそうだ。
そのトイレも見たことがないくらい汚くて、劣悪な環境(たぶん私たちの想像を絶するトイレの様相)
これでは死んでしまうとその人は強引に退院したのだが、これを読むだけでも私たちの考える医療、衛生環境とはほど遠い実態を知った。
ミャンマーでは圧倒的に医師の数が少なく、施設、設備も古く行き届かず、医療技術も遅れていて衛生観念もまだまだ低い。
大都市ヤンゴンで外国人用の病院か私立病院であればそれなりの治療は受けられるかもしれないが、一般人のレベルの病院ではほとんど期待できない、
それがスーティリさんの「最初から医療制度は崩壊してて、誰もそれだけをとりたてて考えはしない」という答えになるのだろう。
◇
最近はミャンマーのニュースもあまり聞かなくなった。
まだ小競り合いはあるのかもしれないが、軍とデモ隊が激しく衝突していた頃よりは落ち着いてきたように見える。
これからミャンマーはどうなるんだろう?
すぐには軍政から民政へ戻るとは考えられないし、もし戻ったとしても完全な民主化でない限り、またクーデターが起こり繰り返されるような気がする。
コロナで感染しても治療を受けられるのか?
政情不安から多くの日本人が帰国、でも今ミャンマーに住んでいる(滞在している)日本人にとっては、先行きが不透明なことよりも、コロナのほうが脅威じゃないだろうか?
こういう医療体制、設備では感染したら十分な治療は受けられないだろうし、感染してしまったら隣国へ出ることも帰国することも間に合わないし、不可能だろう。
民政だったこの10年間で、ヤンゴンは近代的なビルが建ち、世界の大都市と引けを取らない見た目にはなったけど、大半の人々の暮らしは貧しいまま、それがミャンマーの現状のようだ。
(キラキラ美しいヤンゴンの夜景↓)