足がこうなって初めて実感することはたくさんあるが、
一つには何十年と自然に(考えもせず)染みついた動作でも忘れてしまうということだ。
杖をつくようになってから、歩き方を忘れてしまった気がする。
痛い左膝を庇うがためにロボット歩きになり、杖に体重を預けてしまう。
少し前までは痛くても杖なしでなんとか歩いていたのに、杖を使うようになったとたんそれに頼ってしまい、
日を重ねているうちに、どうやって歩いていたのか忘れてしまった。
どう足を振り出していたのか、地面についてからどう右足を出していたのがか、たまにそれを思い出して悩む瞬間があり、とたんに妙な足取りやテンポになったりして、、、、信じられないけどそうなってしまった。
記憶を頼りに自然に歩いてみようとすると、痛い膝や足の付け根がじゃまをしてそうは出来ない。
痛いからまたロボット歩きに戻る、、、の繰り返しだ。
階段の上り下りもそうだ。
膝に痛みが出て体重がかかるとさらに痛いので、まず階段の上りが出来なくなり、次に下りも出来なくなった。大半はエレベーターやエスカレーターを使ってカバーできるが、
唯一下りの階段しかないところがいくつかあり、杖をついて降りるようになった。
杖をついてるからこそ安全に歩けるんだけど、これも頼ってしまい、もしかしたら(杖無しでも)下りられるかも、、、と思うのに怖くてためらってしまう。
今はまだ上りは出来ないけど、上ることは足の痛みが無くなれば自然と出来る気がする。
でも下りは杖をついて、いったん両足を揃えてから降りてる(一段一段)状況なので、これを普通に戻そうとすると、やはりまた考えてしまって出来なかった。
これはヤバイと思ったし、自分でもいったん両足を揃えて降りるというのはもどかしくて、元に戻したいと思った。
でも現状、杖無しではまだ無理だし、強引にやって階段から転げ落ちたら元も子もないので、比較的短い階段で、周囲に人があまりいない時に意を決してやってみることにした。
左手で階段の手すりを掴み、右手には杖を持ち、ゆっくりと一歩一歩、、、、出来た!
まだ考えながら足を動かしてる状況なので、考えすぎると(右足と右手が同時に出るみたいな)妙な動きやテンポになりそうなので、落ち着いて出来そうな時にだけやっている。
信じられないだろうけどこうなっちゃうんだよ、
足がこうなってから約7ヶ月、私にとっては長く辛い時間だけど、たった7ヶ月で何十年と自然にやっていたことを忘れてしまうんだよ。。。。たぶん痛くてそれを避けたいという記憶からかもしれないけど。
歩けるってごく当たり前の普通のことだけど、幸せなことだよ。自分の足で行きたいところに行けるんだもの。
これが出来て、あれが出来ないとか方がマシとか優劣はつけられない、普通に動けること、生活出来ること、健康なことが一番幸せだと思う。